未支給年金を請求できる者の範囲と認定要件

 

社会保険労務士・行政書士 青柳義隆事務所

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未支給年金を請求できる者の範囲と認定要件

【 未支給年金とは 】

年金の受給者は必ず1か月分か2か月分の年金支給額を受け取れずに亡くなっていきます。 

年金支払い図

年金は後払い」 偶数月の15日に前月分と前々月分の2か月分が支給され、亡くなった日の属する月までの分が支払われます。

年金は後払いのため、受給者が亡くなると必然的に受け取れない分が生じるのです。

 ※ 国民年金法の支払規定では、例えば 年金受給者が6月に亡くなったときでもその6月分が、7月に亡くなったときには6月分と7月分の合わせて2か月分の支給額が8月15日に支払われることになっています。しかし実際は、受給者が亡くなられて受取ることの出来ない年金について 日本年金機構は支払いを一時的に保留します。 これが未支給年金です。

それではこの未支給年金はどうなるのでしょうか?

未支給年金は年金法に定められた請求権者が請求することにより受取ることが出来ます。
しかし、5年間請求しないと時効になり、請求権者がいない場合は国庫に戻されます。
親族が亡くなられたときはなすべきことが多いため、未支給年金の請求を忘れているケースがあります。

死亡届の提出の遅れや、既に定期支払作業が終了していた場合等により過払いとなった分は、日本年金機構に返納することになります。

【 請求できる者の範囲と認定要件 】

次の者が年金法に定められている請求権者で順位が決められています。
第1位 配偶者 2位  3位 父母 4位  5位 祖父母 6位 兄弟姉妹 7位 三親等以内の親族
先順位者であっても年金受給者の死亡の当時受給者と「生計を同じくしていたもの」でなければ請求はできません。 請求権は次の順位者へと移って行きます。)

  
 平成26年4月より請求権者として拡大された 三親等以内の親族 
 1 親等   子の配偶者、 配偶者の父母
 
 2 親等   孫の配偶者、 兄弟姉妹の配偶者、
 配偶者の兄弟姉妹、 配偶者の祖父母
 3 親等   曾孫、 曾祖父母、 甥・姪、 曾孫の配偶者、
 おじ・おば、
 甥・姪の配偶者、 おじ・おば の配偶者、 
 配偶者の曾祖父母、 配偶者の甥・姪、
 配偶者の おじ・おば
 
未支給年金を請求できる範囲は2親等以内の親族( 配偶者、子、父母、孫、祖父母、兄弟姉妹 )に限られていましたが、社会実態の変化に伴い これら以外の親族、例えば長男の嫁や甥・姪などが最期を看取る機会が増えてきていることから「年金機能強化法」により、請求できる範囲が3親等以内の親族まで拡大されました。

上記 請求権者は次のいずれかに該当すると、年金受給者の死亡の当時受給者と「生計を同じくしていたもの」と認定され、未支給年金を請求し、受給することが出来るのです。

 ① 配偶者又は子である場合
 住民票上同一世帯に属しているとき
 住民票上世帯を異にしているが、住所が住民票上同一であるとき
 住所が住民票上異なっているが、次のいずれかに該当するとき
  現に起居を共にし、かつ、消費生活上の家計を一つにしていると認められるとき

単身赴任、就学又は病気療養等のやむを得ない事情により住所が住民票上異なっているが、次のような事情が認められ、その事情が消滅したときは、起居を共にし、消費生活上の家計を一つにすると認められるとき
生活費、療養費等の経済的な援助が行われていること
定期的に音信、訪問が行われていること

 ② 父母、孫、祖父母、兄弟姉妹又はこれらの者以外の三親等の親族である場合
 住民票上同一世帯に属しているとき
 住民票上世帯を異にしているが、住所が住民票上同一であるとき
 住所が住民票上異なっているが、次のいずれかに該当するとき
  現に起居を共にし、かつ、消費生活上の家計を一つにしていると認められるとき
  生活費、療養費等について生計の基盤となる経済的な援助が行われていると認められるとき

「生計維持関係等の認定基準及び認定の取り扱いについて」(平成23年3月23日年発0323第1号)通知より抜粋

未支給年金は、認定要件を満たしていた請求権者が、死亡した年金受給者の代理としてではなく、自己の権利として請求し受け取ることが出来るのです。

 (未支給年金) 〔国民年金法〕 第19条1
 年金給付の受給権者が死亡した場合において、その死亡した者に支給すべき年金給付でまだその者に支給しなかったものがあるときは、その者の配偶者、子、父母、孫、祖父母、兄弟姉妹又はこれらの者以外の三親等内の親族であって、その者の死亡の当時その者と生計を同じくしていたものは、自己の名で、その未支給の年金の支給を請求することが出来る。
( 条文中の「自己の名で」とは、死亡した受給者の代理ではなく、自己の権利として請求できるという意味です。)

【 請求者が証明すべき 2っ のこと 】

 
請求者が証明すべきこと証明書類
年金受給者の死亡当時、年金受給者が請求者と生計を同じくしていたこと・年金受給者の死亡当時、年金受給者と請求者が同一世帯に属していた(生計を同じくしていた)ことについては、住民票(世帯全員)や住民票の除票を提出します。 
年金受給者の死亡当時における年金受給者と請求者との身分関係 ・死亡した年金受給者と請求者の相互の身分関係については、日本の国籍を有する者の身分関係を公証する唯一の公簿とされている戸籍を提出します。

( 請求者と亡くなった者との身分関係を証明する戸籍 )

    
 請求する者   身分関係を証明する戸籍謄本・抄本
 配偶者 の場合  ・請求者の戸籍謄本
※ 戸籍謄本の身分事項欄で亡くなった者の配偶者であることが証明できます。 
  の場合  ・請求者である子の戸籍抄本又は謄本)
※ 戸籍に記載されている親の名前で証明できます。
 父母 の場合  ・亡くなった者(子)の戸籍抄本(又は謄本)
※ 戸籍に父母の名前が記載されているので証明できます。 
  の場合  ・請求者である孫の戸籍抄本(又は謄本)と親の戸籍謄本
※ 請求者である孫の戸籍から孫の親の名前を確認し、親の戸籍から亡くなった者(祖父母)の名前を確認することで身分関係を証明できます。
 祖父母 の場合  ・亡くなった者(孫)の戸籍謄本とその親の戸籍謄本
※ 亡くなった孫の戸籍謄本から孫の親の名前を確認し、親の戸籍謄本から請求者である祖父母の名前を確認することで身分関係を証明できます。 
 兄弟姉妹 の場合  ・亡くなった者の戸籍抄本(又は謄本)と請求者の戸籍抄本(又は謄本)
※ 亡くなった者の戸籍の父母欄と請求者の戸籍の父母欄が同じであることで身分関係を証明できます。
 上記以外の三親等内の親族 の場合  ・亡くなった者の戸籍謄本と請求者の戸籍抄本(又は謄本)それと亡くなった者と請求者がつながる戸籍 を取得して身分関係を証明することになります。 
上記は一般的な例であるため、戸籍を取得する前に年金事務所で確認することをおすすめします。

  戸籍を紐づけて揃えるときの注意点 》

  新しく戸籍が作られるきっかけには、
. 法律によって戸籍のスタイルが変更された場合(戸籍には改製と記載)
. 婚姻や離婚、養子縁組等の身分変動があった場合(戸籍には編製と記載)
. 他の市区町村から本籍を移した場合(戸籍には転籍と記載)
 などがあります。
戸籍は一生のうち何度か改製や編製等により作り替えられていますので、戸籍事項欄に「改製」や「編製」又は「転籍」と記載されていないか確認します。)

戸籍事項欄に「改製」という表記がある場合には改製日を確認し、一つ前の戸籍である改製原戸籍(改製日直前まで有効であった戸籍)を入手します。
 戸籍事項欄に「編製」あるいは「転籍」という表記がある場合には編製日や転籍日を確認し、その前の戸籍を辿って行きます(身分関係の証明が複雑な場合は同じ市区町村役場だけで連続した戸籍が全て揃うことは少ない)。

未支給年金の請求者が「上記以外の三親等内の親族」である場合には、戸籍の身分関係の証明が複雑になりますので、すべての戸籍謄本を取り寄せるのにとても苦労することも有ります。

【 請求書の提出から支給されるまで 】

 ⌘ 未支給年金請求書に上記証明書類と死亡者の年金証書・振込先の預金通帳(コピー)を添付して最寄りの年金事務所に提出します。提出した書類に不備がなければ次に事務センターで審査が行われます。そして審査結果に基づき日本年金機構本部で支給決定が行われます。

 年金事務所  ・請求書類の受付 ・添付書類の確認 
 ↓
 事務センター ・請求内容の審査 
 ↓
日本年金機構本部・審査結果に基づき支給決定 

 ⌘ 請求書を提出してから未支給年金が支払われるまでにおおむね 3ヶ月くらいかかります。


戸籍は、法律によって戸籍のスタイルが変更された場合の改製、婚姻・離婚・養子縁組などの身分変動があった場合の編製、他の市区町村から本籍を移した場合の転籍等により新しく作られますし、また本籍は遠方の市区町村役場で管理されているなど 身分関係を証明するための戸籍を集めるのに苦労することがあります。
未支給年金の請求はしたいが証明書類を集めるのに手間もかかるし複雑そうだ…」という方の「 証明書類の取得・請求書類の作成・年金事務所への提出」までを社会保険労務士として行っております。

 未支給年金請求代行報酬 25,000円
(戸籍謄本・住民票・切手代などは実費を請求します。)

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